皮革工芸の街イタリア
イタリアは、半世紀以上も前から皮革工芸の伝統と技術面では、世界各国から高い評価を受けています。
このブランドシンボルとしての歴史があるためファッション市場では常に「バッグと靴はイタリアが一番」と言われる程です。
爬虫類の革は80%はミラノに・・・
有名ブランドのグッチ、フェンデイ、ベルサーチ、フェラガモ、プラダ等は勿論、フランス、スペイン、ドイツ等の有名ブランドも生産国としてイタリア職人の腕に100%依頼しているところも数多くあります。
しかし数千社あると言われる皮革製品に関連した工場の中で、爬虫類の革を扱えるのは、80%以上が北のロンバルデイア州、ミラノに集中しています。
イタリア工房訪問記
イタリア工房での職人
イタリアの皮革工芸、特にハンドメイドの高級素材クロコダイルやオーストリッチバッグの生産を支えているのは、主にミラノ周辺に点在する、小規模工房の熟練職人達です。彼らは高級皮革職人であることに誇りをもち、日々より良い製品を自分達の手で作り出すことに喜びを感じ、努力しています。
では、その内のミラノ市内にある一つの工房をご紹介させて頂きましょう。 お父さんの代から爬虫類のハンドバッグを作られている彼の工房には4人の熟練職人が常に彼を支えるかのように懸命に手を動かしています。
皆の明るく元気なチャオ、チャオという言葉と共に一番に目に飛び込んできたのは、壁一杯にかけられている型紙です。
200~300枚以上はありそうですが これはイタリア工房ならではの光景です。日本を始めアジアの工房では金型で革をカットしていきますが、イタリアでは、経験豊かな職人がフリーハンドで革をナイフでカットしていきます。その元になるのがこの彼らの手作り型紙と言えます。過去に起こした全ての型紙を壁に保管は出来ません。これらはほんの一部であり、人気が高いモデルごとに整理されています。
こちらは、カットしたパーツを縫い合わせる前にふちを折り曲げて、そこに皮革用ののりを直接手で塗っています。 手のぬくもりで程よくボンドが緩んで、付け具合も均等に全く無駄がありません。熟練職人の手の優しさが伝わってくるようです。
職人さんのこだわり
お茶面な笑顔のミシンを踏んでいる職人さん。首元には素敵なゴールドのネックレスが光っています。
白いシャツに白いズボン、胸元のボタンを二つ開けて、でもよく見ると可愛い個性的な赤いボタン・・・。 彼はお洒落とは何か、とてもよく分っているようです。
そして彼の口から手を止めずに出た言葉は、「ここは使っていると広がってくるので1mm内側に縫っておくのだよ。でもここは開けやすいように1mm外側を縫うのだよ。立体的に頭で描きながら縫わないと使いづらいバッグになる。バッグは開けて使うものだからね。」
そう、だからバッグに限らず、イタリア製のスーツやシャツもスタイルをとてもよく見せてくれるのですね。
お洒落をわかって愛情を一杯に込めながら作られるバッグは、まさにイタリア芸術のひとつです。このアートの世界から生まれた貴重な手作りアクセサリー(バッグ)は、あなたの手元でいつまでも優しくあなたを引き立たせてくれるでしょう。
イタリア情報[Italy Information]