諦めないで良かったオリジナル金具作り!
※※※こちらは以前のブログに掲載していた内容です※※※
毎日慌ただしく過ぎていく日々の中で、又とても嬉しいメッセージをお客様から頂きました。
東京都港区のS.H様からです。
今回は10数年前にご購入されたイタリアのブランドメーカーの素敵なグリーンのクロコダイルバッグのお直しのご依頼でした。
なんと前右側のハンドルの金具が壊れてしまい持ち手が外れて使用できなくなっていました。 よくよく確認をすると、全くのオリジナルである為、一般に使用されている金具では取り付けが出来ません。 この金具が外れた時のお客様の心境を思うと胸がキュと苦しくなりました。
でも、バッグの中を見るとブランド名のラベルがありました。良かったと思い、早速ミラノのモンテナポレオーネ通りにあるこの会社へ問い合わせをして、メールで写真を送りこの金具の在庫の確認を致しました。
し かし、3日後に届いた返事はとても残念なことに10数年前の金具はもうストックがないとのことでした。 このそっけない返事にとてもがっかりして、デザイ ナーズのオリジナル金具であれば、その後のフォーローを考えて長く在庫を抱えるべきだと強く意見を言わせてもらいました。
このままでは、 販売している側の立場として許せない思いが強くなりなんとか当店で出来ないか、いつも大変お世話になっている金具のメーカーのおじさんに相談を致しまし た。 とても親身になっていつもない金具を懸命に探してくれるおじさんですが、やはり今回は、どこをどう探しても合う金具は既成品では見つからないと、 3日後に元気のないご返事がきました。
でもそれはほぼわかっていたことです。 勿論この特注品を特別価格でつくる事は出来ますが、この 小さな金具を一つ作るために型を一から起こしてとなると、お客様はとても高い金額を払わなければいけません。 お客様のせいではないのにと、思うと簡単 には諦めるわけにはいきません。 なんとか出来ないか、知恵を絞ってお願い!とおじさんに思わず泣きついてお願いを致しました。 でもさすがにこの 道40年の心優しいおじさんです。 金具を長い間見つめて、こうすれば可能かな~という案を絞り出してくれました。それがこれです。
又、メッキの金色の度合いは海外と日本では見た目がかなり違います。 勿論似たお色になるよう金メッキもして頂きました。 これでしたらおじさんのロー付 けと金メッキにかかった手数料くらいが既成の金具代金にかかる位です。 早速お客様へメールで写真を送りご提案をさせて頂きました。
パッと見た目は違いは分かりませんが、お客様も、金額がそんなに高くないために、前のもう片方もこれで変える事に決まりました。ホントに、前からですと左右両方が完全に同じため、全く違和感がありません。
1日も早くお客様にお届けしたい! 早く喜んで頂きたいとわくわくした気持ちで一杯になりながら、私達は発送をさせて頂きました。
何時までも気持ち良く末永く使って頂きたいと、心から願いをこめてー。
S.H 様 ご感想をどうも有難うございました。