リザード皮のバックの変色が取れますか?
皮革製品に関しては、どんなに高額なバッグであってもやはり年月と共に紫外線や蛍光灯などの影響でお色が焼けたり抜けたりするのを防ぐことは難しいものです。
原因としましては、染色技術(皮革製品は鞣すと言われます)は素晴らしく向上してきて、近年随分綺麗な魅惑的なお色が染色出来るようになりました。しかし布地のように染色した後に最後に色止めとして必要な熱処理が、皮革製品の場合は施すことが出来ません。皮革に高熱をあたえると皮革が萎縮して硬くなってしまう性質を持っているからです。
窓辺にかけている布地のカーテンなどでも数年たつとうっすらとお色が抜けてきます。皮革製品は染色した後、素の状態で紫外線を浴びたりすることになります。直接太陽に当たらなくても家のタンスの中に入れておくだけでも風化して少しずつお色が抜けていきます。特に中間色淡いお色、今回のようなライトブルーの場合は当初の染色の中に黄色を混ぜてお色を作っています。この中で一番最初に抜けていきやすいお色がブルーでそのあとに強いイエローが出てくるため、どうしても今回のバッグのお色のように変わってしまうのです。
お紐はバッグの中(日陰状態)でまた、ビニール袋などで空気の流れに触れず密封状態でしたらお色が抜けにくい保護状態で保たれていたかと思われます。これらのお色や皮革劣化の問題は当店としてもお客様への大切なアフターケアーとして前向きに取り組んでいる課題です。弊社も予防できるクリームやスプレーの研究開発をスタートさせております。まだお時間はかかりますが、早く良いものが出来ることを心から望んでおります。
当店にはお色がぬけたり、シミなどがどうしても取れないなどのご依頼を日々数多く頂いております。皮革が傷んだり裂けたりしていなければ、これらの問題はお色をのせることにより解決ができます。リザードのバッグも、元のショルダーのお紐のお色になるように熟練職人がお色をのせていく事が出来ます。
爬虫類皮革はお色のせが簡単ではありません。出来る限り本来の素材感を大切に自然になるようにお色を少しづつのせていきます。
この技術は当店のこだわり、やはり熟練職人の経験による技と言えます。