オーストリッチ革
次に女性バッグで人気なのがオーストリッチ(ダチョウ)革です。
天然皮革素材の中でハンドバッグのように使用感、強度性、ファッション性を必要とする場合には、実際に高級感と実用性を兼ね備えているという面から、一番理想に近い天然素材といえます。
野生のものは減少傾向にあるためワシントン条約で保護されています。現在は養殖により皮革用として計画的な生産と理想的な管理の元で商品化されています。卵から親になるまでに1年2ケ月しかかかりません。
成長したオーストリッチは平均体高2.5メートル、重さ120キロほどです。 皮は羽を抜いたあとの丸みのある突起した軸痕、クイルマークが他の皮革にはないユニークさをもっています。中心の40%くらいの面にクイルマークが強く出ており その部分を使用して主に商品が作られます。強靭な皮質で重圧さもあり立体的な革の特性を活かして、高級品向け素材として幅広く使用されています。
足部の皮はレッグと呼ばれ、爬虫類に似たうろこ状の模様が特徴となっています。使用面積は小さくなりますがつなぎ合わせてハンドバッグや小物に貴重な皮革として使用されています。
同じダチョウとして他に、エミューやアメリカンオーストリッチがあります。 オーストリッチに比べて小さく体高は1~1.5メートル 体重は20~40キロです。 羽を抜いた痕軸クイルマークも小さく皮質も薄いのが特徴です。 使用頻度によりつやが出てソフトになる特徴はオーストリッチと同じですが、強度面は低く養殖も盛んではないため、近年ではハンドバッグのような商品化されたものをあまり見ることは有りません。
オーストリッチの養殖
ダチョウの卵。大きさは長径15~17cm×40cmくらいです。
孵化して間もないダチョウの雛。
雛は広い牧場で放し飼いにされのびのびと育ちます。
ダチョウの若鳥。
大きく成鳥したダチョウ。
加工用の皮は漂白された後約1ヶ月をかけて染色されます。