クロコダイル革
爬虫類皮革の代表的なものがワニ革です。
現在は、お腹の部分の鱗模様を活かして、メノウの玉で磨き光沢を出したグレージングと呼ばれているなめし仕上げと、艶を出さずにしっとり感のあるマット系の仕上げで、主に高級ハンドバッグの商品が作られています。
光沢があふれるほど磨きあげられた革で作られたハンドバッグは、皮革の宝石と言われるほど高級感があり、パーテイーなどの華やかなドレスとの相性は抜群です。
表面は大変デリケートな為、お取り扱いには注意が必要になります。マット系の皮革はオーストリッチと同じように強度があり、高級感と実用性を兼ね備えています。
野生のクロコダイルはやはり絶滅の危機の恐れがあるため、ワシントン条約で保護されています。現在は80%が養殖により皮革として取引されており、産地によりそのタイプが分かれます。 イリエワニ、ニューギニアワニ、ナイルワニ、シャムワニ、そしてアリゲーターが主です。
商品として使用できる大きさになるのには最短で3年ほどかかり、卵を産む親ワニになるには更に6~8年かかります。年々世界中でファッション性が高くなり、この需要率に比べて成長が遅い為、供給率が年々低くなっており、現在の商品価値としては過去最高のものになっています。
ワニ革の代表格といわれているイリエワニは東南アジアやパプアニューギニアに生息しています。 四角形の鱗が綺麗に揃った最高級の皮革です。あごからお腹の肛門にかけて鱗の横列の数が31~35列あります。 高級ハンドバッグ素材として、非常に価値を生んでいます。
ワニのあごからお腹の部分を割き背部の凹凸部分を活かしたタイプは背ワニと呼ばれています。凹凸の部分は大変固く、強度があり、自然の美しい造形としてワイルドな魅力がある商品として人気があります。
ワニの養殖
養殖ワニの施設内の孵卵室。卵のサイズは約7×5cm、卵の孵化する温度の違いで雄や雌が生まれます。
卵から孵ったばかりのワニ。
商品として使用できる大きさになるまで最低3年はかかります。
特に質の良い革のワニは、革が傷つかないよう一匹ずつ小さく仕切られた水槽に入れて育てられます。
成長したワニのお腹を下から見たところ。
革は染色、なめしなどの工程を経て、その後バッグをはじめとする商品に加工されます。